HMCC(ハンドメイド キャンピングカー クラブ)
あなたにも出来る 手作りキャンピングカー!

ベース車&仕様
ダットラ4WDで、ボディーはオールFRP。

最近手作りキャンピングカー制作意欲が減退しているHMCCメンバー諸氏に奮起していただきたく思い書いてみましたFRPの経験は少々あるのみで試行錯誤の制作となっております。FRPボディーを作る場合、まず必要なものは「 型 」です。当初ベニア板をパテ仕上げし塗装して使用するつもりで完成させましたが、上塗り塗装がまずかったせいで離型に失敗。次ぎはポリエステルフィルムで養生し施工、テスト段階では巧くいったのですが、面積が広くなると溶剤によりフィルムの延びが出てこれまた失敗。面積が狭い場合は離型も良く、良い方法だと思います。結局はオーソドックスにポリエステル合板を使用する事にしました。これで2ヶ月(実動8日間)のロス。初めからこうすれば良かった!合板の色はなるべく黒っぽい色、脱泡するとき泡が良く見えるようにする為黒がベストです。


FRPでボディを作るのに必要なものは
@素材について

ガラスマット・クロス・ロービングクロスの三種類があります今回はマットを使用しました。これは施工が容易な為で、クロスではコーナーやシワ取りが巧くいかないようです。マットは5センチ程度のガラス繊維を重ね合わせ布状にしたもので、軽く擦るようにする事で形をある程度自由に変える事が出来ます。マットは幅・長さ・厚さ等色々種類があります。一本ものですと64m巻き、今回使ったものは幅104Cmの物で重さは一本で30Kgありました。

A樹脂・硬化剤について

ポリエステル樹脂。これはワックス入りとノンワックスの二種類、それに春秋・夏・冬用があります。ノンワックスタイプは表面が完全に硬化しない為硬化後その上に積層が出来ます、又ヤスリかけが困難。ワックスタイプはこの逆で硬化後積層は出来ません。積層する場合は表面のワックスを削り取ってから、ポリエステル樹脂に硬化剤を入れても、空気に触れている面は完全に硬化せず、空気遮断の為ワックスを入れているとか??
硬化剤について、これは樹脂1Kgに対して周囲温度により4〜10cc。多く入れれば硬化時間が早まります。施工の難易度により調整してください。強度は極端な例を除き大差ないそうです。ただし多く入れると発火しますので念のため。

B道具・型板について

繊維を切るハサミ・硬化剤を計るスポイト。樹脂を混ぜるポリバケツを洗浄用と合わせて2個。樹脂を塗布するウールローラー、繊維の中に残っているエア抜き用の脱泡ローラー、コーナー用の2本、それにポリエステル樹脂を洗うアセトン。これで一応FRPで何か作れます。今まで板金の金工の工具やら腕前に自信が無くキャンピングカーボディー作りに二の足を踏んでいたHMCCメンバー諸氏、FRPは使い慣れると結構楽しい素材のようです。型板は、まずは型板を乗せる台を作ります。これは木で作る方法もありますが、今回は仕事で慣れた足場パイプを使用しました。これは組み立て・解体が簡単ですし、高さや幅なども自由に変えられ便利です。とにかく平らに作る事が大切です。足場パイプにコンパネを乗せその上にポリエステル合板を張り付けます。この型を何度も使い、尚且つゲルコートで仕上げる場合等は、接着剤で張り付けます。この場合合板の繋ぎ目はセロテープ等で押さえると良いでしょう。

   左側壁組上げ        ルーフフレーム      後部排水タンク

Cゲルコートについて

ゲルコートの色は何色かあるようですが、白が一番使われているようです。白を使う事で塗装が省略できますが、各パネルを別個に作り後で組み立てる方法の場合は、コーナー等の繋ぎ目を仕上げ塗装をするか、「セキソーボディー」さんのようにカバーをつけて仕上げます。ゲルコートのもう一つの利点は、型に直に積層しますと完全に脱泡が出来ず表面にピフォールが残り、下地作りをしてからでないと塗装が出来ませんが、先にゲコートを塗っておく事により、この工程が省略できる事です。尚、離型したものに塗装をする場合は、いずれの場合でも表面についている離型ワックスを落とさなければなりません。型が出来ましたら離型用のワックスを塗り込みます。未離型の型ですと4〜5回塗り、きれいに拭き取ります。一度離型が出来ていれば、2度目からは1回のワックスがけですみます。合板の繋ぎ目などにポリパテ仕上げをした場合は、さらに離型剤を塗る必要があるそうです。ゲルコートについては、まだ行った事がありませんので、一応の参考までとしてください。型枠の大きさは、幅がベニヤ板の2枚の3,600mm・奥行きが2,250mmが適当かと思います。奥行き をこれ以上大きくすると、脱泡するとき中央まで手が届きません。

D積層について

まずはグラスマットをカットする事から始めます。手がポリエステル樹脂等で汚れていると、濡れ手に粟ならぬ、濡れ手にマットで、収拾のつかない状態になってしまいますので、予め必要なものをカットしておきます。ロール物の幅は1mと1.8mがありますので、目的に応じて使うと良いでしょう。又故意に繋ぎ目を作り、重なりを多くする事により強度を持たせる事も出来ます。一回で塗布する樹脂の量は1〜2Kgが適当の様ですので、連続して作業できる時間などにより大きさを決めると良いでしょう。ちなみにマット1uあたり1kgとの事ですが、私の場合は0.7kgで仕上がっております。ただし、平面の場合ですが強度と樹脂の量とはあまり関係が無いとの事です。樹脂の多いほうが脱泡は楽ですが、多少時間をかけて脱泡してやりますと軽くて丈夫なFRPが出来ます。2kgの樹脂を塗布し脱泡する時間は1.5時間前後で作業しておりますが、コーナーが多いとこれ以上かかります。樹脂は2時間程度で硬化が始まるようにしますと作業性も良いようですが、コーナーが多いときは硬化剤等の量で時間を調整すると良いでしょう。又一層目が硬化する前に2層目を 積層しますと、下層の硬化熱の為、早めに硬化が始まりますし、下層が湿っているうちに積層しますと樹脂も少なくて済み、脱泡も楽なようです。作業するときは、手袋と防塵マスクを忘れないようにしてください。

   オーバーハングベット        後  部        後部エントランスドア

E樹脂について

樹脂はノンワックスのみですと表面が硬化しておらずヤスリがすぐに目詰まりしてしまい削り取りはかなり困難を期します。パネルを作り組み立てる場合は出来るだけ一回で積層を完了し最後の積層でワックスタイプを使用すると良いでしょう。ただし後日組み立て等で積層の必要なコーナーなどでヤスリ掛けの不可能なところは要注意。(ノンワックスを混ぜる事により代用可)今回は左右パネルと後部パネル、そしてオーバーヘッドの4ピースを作りフロアーは2プライのシー トに鉄骨の骨組を取り付けました。鉄骨は1.6tでは溶接の技術が追いついて行けず2.3tの40mm×40mmを使いました。シャーシーとフロアーフレームの取り付けは写真を参考にしてください。各パネルは図のような構造で当初フレーム芯にスタイロフォームを使いましたが、これは発泡スチロールと同じ樹脂に侵され解けてしまい巧く行きませんでした。芯には桟木を使うと良いでしょう。これにより室内の造作の取り付けもこれに固定が出来ます。材質は重くなりますがラワンを使うとネジ・くぎ等がよく利きます。シャーシとフレームの取り付けシャーシにあまり手を加えないように既存の取りつけ孔、及びボルトを使用するとよいでしょう。組み立てはプラモデルの大型版と思っていただけばよく各コーナーを2プライのマットで補強取り付けをすればよいでしょう。各面50mm以上あればよいでしょう。セキソーボディさんは60mmとの情報です。

     ル ー フ       オーバーハング組上げ     全体組上げ

Fコアー材について

断熱効果および価格の点で発泡スチロールを使用しましたが、これは発泡ウレタンを使用したほうが良いでしょう。価格についてはスチロールは3尺×6尺・25mm厚で650円程度、ウレタンは4倍の2700円程度ですが施行および合成強度の点では数段優れております。断熱に関しては厚さを増せば済みます。外板積層後硬化前に発泡ウレタンを張り付けその上に内板を積層する事により一体のものとなり強度も増します。巧くすればフレームを省けるかもしれません。発砲スチロール使用の場合は完全に硬化していないと、発生ガスで溶けてなくなってしまいます。左右、リアパネルおよびフロントOHベットの4点を作り床は2プライのシートを鉄骨フレームに取り付けたものを使用組み立てしました。ルーフはワンボックスカーのようにフレームを取り付け、それに1プライのシートをリベット止めしその上に2層積層しました。これで一応の形は出来上がりです。後からの積層は、これが仕上がりとなりますと型板に積層したのと違い結構凸凹が目立ちます。また型はどうしても平面になりがち、単板に積層しても曲線どまり、曲面となると雛形を作らなければ無理となります 。そこで簡単な曲面ということでパテによる盛り付けということになります。このパテはFRPの繋ぎ目の段差等で使う一般的なポリパテや板金パテでは重量や価格の面で不利になります。此処で左官材料のパーライトを使いますと樹脂に溶けず軽く安く、またポリエステル樹脂に混ぜ合せる為、硬さの調整も利きHMCCメンバーにはうってつけ、難点は小袋が無い点余ったら袋に詰め断熱材の代わりにでも…また外板が2プライ程度ですとフレームの間隔を50Cm程度にすれば外板のペコペコ感は防げるでしょう。これ以上になるようですとこのパテを薄く塗るか断熱材を接着すると良いでしょう。色々試行錯誤いい勉強になっております。少しでも皆様の参考になればと・・最後までお付き合いいただきありがとうございました。レッツトライ!! ハンドメイド キャンピングカー

このページに関するご意見は  訪問記帳 までお願いします。

TOPページ HMCC案内 キャンプスケジュール 手作りコーナー
次回例会案内 例会キャンプ報告 番外キャンプ報告 愛車自慢